存在すらあやふやなソープの定義とは…

ソープ業界、あるいは風俗業界では知らない人はいないくらいの老舗グループ。

その某店の責任者が逮捕されたという驚きのニュースが入ってきました。

容疑は『売春防止法違反』(場所提供業)

どんなに有名で健全な営業を行っていても、摘発される可能性があるのがソープです。

これについて、ソープ嬢として働いていても実はあまり知られていないこともあります。

あなたの働いているお店が摘発される可能性が少しでも減るよう、注意点をまとめてみました。

 

 

~まずはソープランドの建前について~

まず、日本の法律では売春は禁止されています。

不特定多数の相手方から金銭を受け取り、性行為(本番行為)をしてはいけないことになっています。

 

この法律で「売春」とは、対償を受け、又は受ける約束で、不特定の相手方と性交することをいう。 引用:売春防止法第二条(定義)より

 

ちなみにここでいう「性交」は男性器を女性器に挿入することを言い、「性的疑似行為」は含まれていないため、デリヘルなどは売春防止法の対象外です。

 

では「性交」が禁じられているのに、なぜソープランドでは当たり前のように本番行為が行われているのでしょうか。

実はソープ嬢は、お風呂屋さんの従業員といった位置付け。

自分一人では入ることのできない特殊なサウナに入るためにお客様が訪れ、女性従業員がその入浴を手伝います。

しかしそこで出会うのは一組の男女。

男女は恋に落ち、自由恋愛の果てに性交に至ることもあるよね…という建前。

 

そのため、部屋の中で行われていることはお店は完全にノータッチになっています。

お店側は入浴料だけを受け取り、部屋の中で性交があることは知らないのです。

そうでないと、売春をさせるために女性を働かせている「管理売春」や、売春をしていると知りながらその場所を提供している「場所提供」の罪に問われてしまうのです。

 

保健所の立ち入り対策として浴室内に一人用サウナを置いているお店もありますが、こういった建前は周知の事実のためか、最近はあの縦型サウナは見かけなくなりましたね。

ちなみに私は様々なソープランド街で働いた経験がありますが、たまたまなのか慣習なのか、あのサウナは吉原でしか見たことがありません。

 

 

~「許可」ではなく「届け出」の理由~

ソープランドは女性が男性の入浴介助という名目で二人きりになりますので、性風俗関連特殊営業の届け出が必要です。

この制度が実は厄介で「許可」を受けているわけではなく「届け出」をして営業をしていることになります。

 

 

例えばキャバクラやバーなどの営業も、大きく風俗営業法の範囲になります。

ただしこちらは飲食業のため、設備が整っているか、火災の危険性はないかなどかなり綿密に調査をして許可が下ります。

 

日本は『臭い物に蓋』の文化であるためか、性風俗店に対してはあえて「許可」を出しません。

公衆衛生上、よろしくないものとされるからです。

しかし性風俗という娯楽は、江戸時代から続き進化し続けているもの。

そこで「届け出制」で建前上は認めてあげ、何かしら問題が起こった時にはすぐに「許可は出していないので逮捕しますね」となってしまうわけです。

 

 

今回の摘発された店舗では、客と店とのトラブルという報道が出ています。

過去にはAV女優が多数在籍しているソープランドが摘発されたことがありました。

こちらは不特定多数の客に売春をさせると知りながら、AV女優をソープランドにあっせんしていたことがきっかけです。

 

その他でよく聞く話は、年齢確認を怠り18歳未満を働かせていたことから摘発に至る場合。

そしてソープ嬢が薬物を使用しているなどの情報があった場合にも、まずは売春防止法の観点から摘発が行われるケースが多いようです。

 

保健所からも警察からも「いつでも摘発はできるからね」とお目こぼしをもらっているだけなのが、ソープランドという業種なのです。

 

~私が吉原嬢だった頃~

ソープランドは建前上、エッチなことをするところではありません。

本来、エロはないものとなっています。

 

私が吉原で働いていたひと昔前は、パネルもHP画像もすべて着衣でした。

エロがないのですから当然です。

お店によりけりだったかもしれませんが、少なくとも私が働いていたお店では写メ日記で集客なんて考えはありませんでした。

 

 

古くから吉原で働いているスタッフ以外は、ソープの店長をしていても本音と建前について知らないことは多いようです。

他地域のお店に面接に行って、驚いたことはよくありました。

具体的には入浴料とサービス料を別々に受け取るシステムや、本来は写メ日記に写してはいけないものを知らないなど…。

 

この「写メ日記」についてはソープ嬢自身が気を付けることができますので、次で詳しく解説します。

 

 

~写メ日記に写ってはいけないもの~

何度もお伝えしていますが、ソープランドは入浴施設です。

入浴のお手伝いをするために働いている女性スタッフとお客様が出会い、自由恋愛の果てに性交をしてしまったという解釈。

 

ソープランドの醍醐味とも言われる『マットプレイ』もお遊びであり、実はあってはならないものなのです。

 

よくソープ嬢さんは写メ日記では『Mット』などと伏せて暗号のようにしていますよね。

お店には「写メ日記を書け」と言われるばかりで、書き方について教えてくれるお店はほとんどないと感じています。

他の在籍嬢の写メ日記を見て、なんとなく『Mット』と書いている方もいるのではないでしょうか。


それ以外にも、コンドームやローションは写メ日記に写ってはいけません

厳しいことを言うとベッドもです。

お風呂上りにマッサージをするため、といった言い訳もたちますが、ソープの場合は不自然なほどタオルをたくさん敷いていますよね。

大量のタオルが部屋に置いてあることがわかる写真も良くありません。

 

お風呂場にあるボディソープやシャンプーなどは大丈夫ですが、マットに使う業務用ローションやグリンス、イソジンなども写さない方がベター。

これらは保健所の立ち入り検査時にはすべて別の場所に移す、もしくは隠しておくようです。

 

正直に言うと、個室内には写ってはいけないものが多すぎます(笑)

 

 

~いつでも摘発できる業態、それがソープ~

表向きは銭湯と同じような公衆浴場であるため、ソープランドは性風俗店で唯一、保健所と警察の管轄です。

男女間で本番行為が行われていることは普段は黙認されていますが、何らかのきっかけですぐに摘発対象になります。

 

今回の摘発の件、客が警察へ相談した時にトラブルの解決のみに協力してくれれば良かったのですが…。

運が悪かったのか、もしくは店側の対応も悪かったのかはわかりません。

しかし警察や保健所は見せしめのように何年かに一回はソープランドを摘発しています。

いつお店がなくなるかわからない世知辛い世の中です。

 

売春をした人、買春をした人自身に罰則はありません。

不特定多数の男女が売春を行うと知りながら場所を提供した、売春があると知りながら仕事を紹介した人物に罰則があります。

 

ただ自分に罰則がないからとは言え、ソープランドは本番行為ありきの風俗店ではないことは覚えておくことは必要です。

職員が見た写メ日記にコンドームや潤滑剤が写っていれば、「不特定多数の男性と性交を行っているだろうとみなされてしまうかもしれません。

そうすれば保健所が突然の立ち入り検査を行い、周知が間に合わず摘発されてしまう可能性があります。

働いているお店が急になくなれば、収入に影響が出てしまうことは避けられません。

 

「写メ日記にマット写ってる子もいるし、エッチとか書いてるから大丈夫だろう」と思わないように気を付けてください。

男性スタッフも定期的に行われる保健所の立ち入り検査については知っていても、なぜマットを隠す必要があるのか知らない人もいるかもしれません。

 

ぜひこのような情報を共有して、少しでもお店を守れる可能性を自分で高めましょう。

この記事を書いた人

野田 珠輝

野田 珠輝

専業風俗嬢としてソープをメインにオナクラからSMまで経験。
キャストが安心して働ける環境作りが目標。
風俗でしか働けなかったライター。