またまた悲しいニュースが流れてきました。
憶測だけでこのような文章を書くことも少しはばかられますが、どうしても伝えたいと思ったので書くことにします。
少々読みづらい点、事実ではない点が含まれる箇所もあるかもしれません。
読んで辛くなる方は読むのを控えてください。
内容が内容だけに、どうぞご容赦ください。
このブログの最後には、辛くなった時の相談先ホットラインを載せていますので参考までに。
~突然の訃報~
土曜の昼下がり、「今日はお休みモード」と趣味の野球をテレビで観戦中。
午後の3時半頃、その知らせはスマホに突然流れてきました。
[速報 俳優の三浦春馬さん死亡]
目が点になりました。
なんとなく怯えながらその速報をタップして、私は更に驚くことになります。
[三浦さんは自宅で首を吊っているのが発見され、自殺と見られています]
え…事故とかじゃなくて…?
はた目から見れば、映画やドラマに引っ張りだこ。
男性からも女性からも人気があり、自ら死を選ぶ要素はどこにも見当たりません。
もちろん、三浦春馬さんとまったく接点のない私から見て、ですが。
遺書のようなものが見つかっただとか言われています。
自殺だと断定されたわけではありません。
ただ、午後1時頃に発見されて病院に搬送され、死亡が確認されて2時間後にはこのようなニュースが流れている。
ここからは自殺だったと仮定して話をさせていただきます。
あくまで仮定です。
~突然消える風俗嬢たち~
ここまで書いておきながら、私は特に彼のファンではありません。
ただ、「好きの反対は無関心」というほど無関心でもない。
好きなドラマに出ていて、爽やかで素敵な人だなといった印象です。
そのくらいなので三浦春馬さんのことについてはほとんど知りません。
だから彼が亡くなったことに関しての悲しさよりも「何が彼をそこまで追い詰めたのだろう」と思いを馳せる方が悲しくなります。
そう、なぜって私も自殺志願者だったから。
幸か不幸か、私は今生きていてこの文章を書いています。
自殺をする人を特別視しがちな世の中のような気がしますが、何も特別なことではありません。
特に風俗嬢は出勤が不確定でも、当欠しても許されてしまうことが多く、メンタルブレブレの時には週1程度の出勤でもなんとか生活できる程度のお金が稼げて助かったものです。
一方で今回の三浦春馬さんのように「時間になっても仕事場に現れなかった」からと言ってスタッフが自宅を訪ねてくるなんてそうそうありません。
「あの子飛んだかもな」「今日予約入ってるのに、怒られるのはこっちなんだよ」くらい思われているかもしれません。
そのくらいの距離感がちょうどいいとも言えますが、特殊といえば特殊ですよね。
そんな環境のせいか、気付いたら死んでいた…もしくは長く入院することになってしまった…という風俗嬢さんの話も耳にします。
風俗嬢が特に他の仕事よりストレス度が高いかと聞かれれば、それはわかりません。
ある意味で楽といえば楽で、楽しい仕事といえば楽しい仕事です。
ただ、ちょっとでも仕事の悩みやグチを言おうものなら「そんな仕事をしているあなたが悪い」「イヤなら辞めろ」と突っぱねられかねません。
だから多くの風俗嬢は、水道の蛇口から漏れゆく水がコップに溜まっていくように、少しずつ少しずつストレスが溜まっていきます。
その水が溢れてしまった時が「何もかもどうでもいい」となる時なのでしょう。
私も「行きたくない」という気持ちが高まって無断当欠し、一切の連絡を絶ったことがよくあります。
もしかしたらこのような時、既に死んでいるかもしれないのが風俗嬢です。
~死ぬ気になればなんでもできるは間違い~
元自殺志願者である私から。
「こんなことになる前に誰かに相談できなかったのか」「死ぬくらいならもっとやれるはずだ」などとよく言われますが、それは間違っていると思います。
自殺=最終手段なのかもしれませんが、私は『自分が楽になるためにいくつかある手段のうちの一つ』だと考えています。
例えば三浦春馬さんであれば俳優をやめて逃避行するのも、楽になる手段の一つだったでしょう。
でもそれをせずに自殺を選んだのは、彼にとってそれが一番手軽で楽な手段だったのだと思います。
関係者の方、ファンの方、語弊があったら申し訳ありません。
ただ恐らく死の世界というのは、一枚の紙の表と裏だとかメビウスの輪のようで、まったく別の世界ではありません。
ふとしたきっかけであちら側にもこちら側にもなってしまうものだと思います。
一生懸命に三途の川を渡らなければたどり着けないものではない気がしています。
風俗嬢やホストが一般の人とは別の世界線にいるように語られてしまいますが、同じ人間であり誰が何のきっかけで「いわゆる夜の世界」に足を突っ込むかわからないですよね。
それと同列に語って良いのかはわかりませんが、生きている人間が死の世界に行くのは些細なきっかけ、ほんのちょっとしたボタンの掛け違いのように思っています。
~私を自殺遂行から救ったもの~
時々、「私は今生きているんだろうか?」「こうやって生活していること自体がすべて夢なのかもしれない」と思うことがあります。
それは、過去の自殺未遂経験があるからかもしれません。
とは言っても、病院に救急搬送されて一命を取り留めたとか大げさなものではありません。
すべて自己完結しています。
私は高校生の時から鬱持ちで定期的に死にたくなっていました。
特に風俗を始めてからは仕事の相談もグチもほとんど言えず、知らず知らずのうちにストレスが積もっていったのだと思います。
吉原で働いていた頃が一番ひどかったです。
ドアノブに紐をかけて首をくくったこと数回。
その度に助けてくれたのは、薄れゆく意識の中でかすかに聞こえた声、そしてすり寄ってくる温もり。
それは1歳になる前からずっと一緒に暮らしてきた飼い猫でした。
猫という生き物は、飼い主がいつもと違う様子だと「何?何が起きてるの?」と不審がるそうです。
悲しいことがあって泣いている飼い主に「どうしたニャッ?」と寄り添ってくるのも、特に深く考えていないと聞いたことがあります。
それでも猫に救われた経験のある方は多いでしょう。
私もその一人であり、しかも文字通り命まで救われました。
このマンションも事故物件になるだろうし、親に迷惑かけちゃうな…と思っても首を吊ってしまった私なのに。
意識が遠のく中でも猫の声を聞き「私が死んだらこの子は生きていけるのだろうか」と思ったのです。
普通に考えれば猫の方が先に死にます。
引っ越しや出稼ぎにも連れて行かれ、振り回され、あげく唯一頼れるはずの飼い主が先に死んでしまったら…。
猫が不憫に思えたのか、本当は死ぬのが怖かったのか、とにかく私は思いとどまり生きながらえています。
その猫もおばあちゃんになり、今年になってからは病気をして死にかけ「この子が死んだら私は生きていけるのだろうか」と逆のことを思うようになりました。
身体的には生きられるのですが、精神的に死ぬような気がして。
私も猫も今は元気で生きています。
両方とも薬がないと生きられないですけどね。
~なぜ自殺はいけないのか~
なぜ自分で死んではいけないのかは、結局のところ私はわかりません。
ただそうせざるを得なかったのも事実。
その気持ちは私には理解できてしまいます。
ある意味では、一番自分を大切にした結果がそれなのかもしれません。
だって周囲にかかる迷惑の一切を考えずにその行為を行ってしまうのだから。
もちろん褒められたことではありませんが「自殺した人は天国には行けず地獄にしか行けない」「こうなる前にできることがあっただろう」と、亡くなった方やその周囲の方を責めないであげて欲しい。
死後の世界はわからないけれど、私は死んだら会いたい人がたくさんいます。
両親は健在ですが恐らく先に死にますし、命の恩人(恩猫?)であるあの子もあと数年でいなくなるでしょう。
仮に私があの時自殺していたとしても、天国で両親や猫を待っていたかった気持ちはあります。
「自分を殺す」という究極の殺人犯でありながらこう思うのはおこがましいのかわからないけれど。
情状酌量くらいあるでしょう?
そもそも私は自殺は病死、もしくは自傷行為の加減を間違えた事故という風に考えています。
だから他の病気で亡くなった方と同じように、寿命をまっとうして天国へ向かっているのだと思うのです。
~最後に願いと祈りを~
日々加熱する報道。
木村花さん、ク・ハラさん(元KARA)が自らの命を絶ったのは誹謗中傷が原因の一つとされています。
今回の三浦春馬さんに関してもそのようなことを言われています。
ただ、原因は分かりません。
もしかすると本人にもその原因は分からないのです。
私は鬱がひどくなったある時、母に「結局原因はなんなの?」と詰め寄られて(そのつもりはないのでしょうが体感的に)苦しかった記憶があります。
ファンや周囲の方からすると理由が知りたいのは最もだと思います。
でも、本当の原因はわかりません。
きっと色々なことが積み重なっています。
借金を保険金で支払うために死んだなどという傍から見たら単純な理由であっても「債務整理などの手続きをする余裕もないくらいに精神的に参っていた」ということは多々あるでしょう。
この文章を書くのも私は少し怖いです。
ペンは剣より強し。
言葉は人間を傷つけるナイフにもなり得ます。
もっともらしいことを語って、誰かが傷つくのは怖いです。
これを書いたことによって、私に誹謗中傷が向く可能性もあります。
「この部分の言い方がキツかった」「こういう書き方だと曲がって捉えられてしまう」そのような批判はもちろん受け入れます。
でも「自殺した人は絶対地獄行き!」「お前は死ぬ勇気がなかっただけの意気地なし」「死んでいれば良かったのに」などと言われればさすがに傷つきます。
SNSは気軽に使えますが、どうか送信ボタンを押す前にひと呼吸。
そしてある人にとっての正義は、別の人にとっては悪になることも忘れずにいて欲しいと願います。
自戒も込めて。
今はただ安らかに。
三浦春馬さんをはじめ、自ら死を選ばざるを得なかったたくさんの方々が今はニコニコ笑っていますように。
ご冥福をお祈りします。
お祖父ちゃん、お祖母ちゃん、叔父、叔母、先生、友人、知人、初めて飼ったペットのハムスター…。
いつか私がそっちに行ったら会おうね!(私信)
=SOSホットライン一覧=
性別違和や生活の困りごとなど、さまざまな話を電話で聞いてくれます。
私も性暴力被害に遭った時、話を聞いてもらいました。
死にたい、消えてしまいたいという悩みに関しては、ガイダンスに従って「5」を押してください。
電話相談が苦手という方は、まずこちらを利用してみてはいかがでしょうか。
こちらの団体に相談できるのは10代、20代の女性です。
LINEや電話、メールを利用し、居場所がないと感じている女の子の相談に乗ってくれます。
代表者の橘ジュンさんには『漂流少女~夜の街に居場所を求めて~』という著書があり、風俗嬢であることを明かしても理解してくれる可能性は非常に高いです。
●NPO 東京メンタルヘルス・スクエア こころのほっとチャット~SNS相談~
LINEやTwitter、Facebookを利用して気軽に相談することができます。
専門のカウンセラーが常駐しており、予約は不要。
現在は新型コロナウィルスによる経済活動・社会生活への影響が拡大している影響を受け、そちら専用の相談窓口もあります。
上記は無料で利用できるものですが、その分待ち時間が発生して相談したい時にできないこともあり得ます。
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